蘭栽培について思考する

 蘭は単子葉植物で800属25000種くらいあると言われていて、世界中に分布しているが、一番多いのは
一般に洋蘭と言われているものは熱帯の1000〜4000m雲霧林に多く育成しているようです。
熱帯の標高の高い所は夏涼しく冬暖かな人間でいえば冷暖房完備の贅沢な環境なのですが、地域によっては
雨期と乾期を繰り返す地域が多いので、蘭は多肉化して乾燥に耐え木や岩に着生する種や寒い地域では
地中に球茎や根塊かして葉を落とす物まで色々なタイプが存在して、さまざまな環境に対応しているようです。
そんな蘭を一つの環境の中で育てるのは無理な面もあるのですが、意外とコツを掴めば共通した所も多いような
気がするのですが。
まずは自分の栽培環境を考え育てる属や種を考え選ぶのが良いと思います。
育てている人の環境、地域も様々なので、その対策も工夫しだいでイロイロな蘭が育てられます。
蘭友会の中でも無加温栽培の人から2、3坪の温室〜100坪もある温室の人まで様々です。
一戸建ての家で育てるなら、なるべく夏成長して秋咲か初冬に咲くものを育てると暖かな地方なら
無加温でも綺麗なカトレヤなど咲かせることが出来ます。なるべく冬は水を切り乾燥させて冬眠状態
にして越冬させれば成長は遅いが何とかなりますが冬成長する物や水の好きな蘭は無理です。
しかし工夫次第では、育てられる範囲がだいぶ広がります。
例えば棚を作りビニールで囲うだけでも冷えかたが違うし中にホットプレートやホットカーペット、ひょこ電球
などを入れ10〜15度を保つ事が出来れば冬に水をかけることが出来るのです。
まあ市販のケースもあるようです。
マンションの方は室内温度が高いので大丈夫のようですが、よく乾燥するので要注意、
蘭は湿度と風を好む物が多いので乾燥に注意すればほとんどの蘭が育てられるようです。

蘭の病気対策
 一番怖いのはウイルスでこれは移らないようにするだけで、病気になったら後は処分するのが
一番良いでしょう、ハサミを焼いたり消毒をしながら使う、鉢は焼き戻しをする、数が少なければ
電子レンジでも良いでしょう、殺虫剤で虫の消毒。
見分け方は新芽に斑入の様な模様が入る、古い葉でも薄い白いスジのような模様が入る。
花の縁にシミのような模様が入る、など沢山の病例を見ると分かるようになる。
 
 あとはカビや細菌、虫などですが、これがなかなかくせ者で
昔バルボに黒いシミが出来バルブが腐りドンドント広がり殺虫剤(スオチミン、オルトラン)とダイセンやベンレート
をまぜ散布したが余計に広がりもうバルボは無理かなと諦めかけたが、蘭友会の
昔の会報を読んでいたらカビにはダイセンやベンレート、軟腐病にはマイシンS、これを逆にかけると
病気が広がってしまうと書いてあったので、殺虫剤+ダイセン、ベンレート+液肥と殺虫剤+マイシンS+液肥
と交互にかけるよううにしたらほとんどの病気に対処出来る様になった。
特に春先交互に数回かけると1年予防が出来るようです。

蘭栽培の楽しさ
 最初蘭に興味を持ち始めた頃は、蘭展なので大輪のカトレアを見てこんなスゴーイ花が自分で咲かすことが出来たなら素晴らしいと思いましたが
蘭友会に入ると大輪のカトレアが500円〜2500円くらいで、ドンドント出てきて興味が薄らいできてしまう、それにカトレアは意外と丈夫で
カイガラムシを気をつければ育てることは難しくない、温室の中でよく注意を引く蘭達は、未開花の原種の蘭に目がいってしまうのです。
特に国際蘭展で海外の業者から買った山取り蘭などはどんな花かわからず、根付いていないので、新芽が出ただけで嬉しくなったりします。
もちろん花が咲けばなお嬉しいが、蘭によっては開花まで4〜5年かかる物や開花を待たずお亡くなりになる物もありなかなか難しい
物によっては死ぬまでに花が見られるかな?などと思ってしまう物さえ有る。
芽が出た、芽が腐ってしまった、病気が出た、蕾が出た、どんな花が咲くかな?などと心配したり喜んだりすることが楽しいのです。

栽培が簡単な蘭、難しい蘭(2010年1月)
 長いこと蘭の栽培をしていると上手く育つ蘭、枯れるまでは行かないが新芽が腐ったり、バルブが小さくなったりして何年も掛けて弱り苦戦する蘭
枯れてしまう蘭などイロイロ出てくる、蘭の栽培は考えようによっては簡単と言えるし逆に難しいとも言える。
まあ世界中の蘭を同じ条件の下で栽培するのが原因なのですが、それよりも原産地の標高が一番の問題で暑がったり寒がったりする。
まあ自分の所でどんどん育つ蘭だけを育てれば一番良いのですが、手こずる蘭を工夫して育てるのも趣味家といえる。
どうしても枯れてしまう蘭は手を出さないようにしたい、クール系は山上げするか冷房施設がない限り手を出さない様にしたい。
逆に高温の物も冬の燃費がかかりすぎるのでこれも敬遠したい。
それでもその両方に少しかかるくらいのものを上手く育てたいと思うのでその辺が難しいのです。
ゴンベッサの場合夏は場所が無いので温室の中かベランダの二箇所に分けて蘭を育てている
温室の中も良く風が通り涼しいが、ベランダはもっと風が通り全体を遮光ネット覆ってしまう。
バルボが好きで沢山育てているが意外と難しい物がある、けっこう水が好きな様で又バルブや新芽が腐りやすく苦戦している物が有る。
最近は金網で筒状にして水苔とベラボン混ぜて植え付けいる、この方法でけっこう成績が良くなったが夏場に新芽が腐るものがある
金網の筒図付けだと天井から吊すので、風通し水はけなどが良くなるので好影響があるようだが、それでも新芽が傷むのは
多分暑がっていると思われる、これを上手く育てるにはやはり風通し良い所に置くしかないような気がするので、今度の夏からは
ベランダの方に置いて試してみようかと考えている。
筒付けは主にバルボ、単径茎の根の太い物(バンダやエリデスなど)を主にセロジネ、カトレヤ類を中心に栽培している。
筒付けが良いのは本来の蘭の生態に近くなるような気がするしバルボなどの匍匐桂の長い物には何処に向いて成長しても
良いことやバンダ類にはベラボンを沢山使えば空気の好きな根には最適で調子が良い、蘭の種類よりベラボンの
含有率を変えればほとんどの蘭を育てる事が出来る、ベラボンは安いし性質としては通気性が良いこと、乾きやすい
いつも湿った状態だと腐りが早い鉢の中に使った時は腐っていると指で押さえるとガサッとへこむのでその時は植え替えが必要
なのですが、筒付けだと空気に良く触れるので腐りにくくなり持ちが良くなる。
逆に寒がりの蘭、胡蝶蘭はゴンベッサの所ではあまり育てたことは無いが育てた物はことごとく枯らしている
それでも去年のドームで胡蝶蘭のギガンテアの苗を買った、今まではコンポストが湿気て低温で根がダメになるパターンで枯らした
ような気がする、今回はベラボン90%くらいの筒付けにしてみた所根が表面を這いすぐに乾く状態で何とか今まで枯れずにがんばっている。
この筒付けは着生蘭ならほとんど蘭に良いと思われるしコンポストを変える事により応用範囲が広がりそうです。

のんほいゴンベッサの方で暑い夏・蘭の筒付けを書いたので参考にしてください。
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